HP ProLiant DL Gen9 サーバ選定完全ガイド

今回はHPのDL シリーズでどれを選べばいいかわからないIT関係者に向けて特徴をまとめてみた。ただその前に筆者の見解を述べておこうと思う。まず、HP ProLiant DL Gen9は DL 20、60、80、120、160、180、360、380、560、580の10種類があり、数字が上がるにつれてグレードが上がっていく。結論から述べると筆者は本番用のサーバであればDL360 もしくは DL380を第一候補にすれば良いと考えている。その理由を順番に説明しよう。DL 360より下のモデルは下記のようにな特徴があるからだ。

1. オンボードNICが2ポートしかない
2. ファンが標準で冗長化されていない
3. 標準でiLOの専用ポートがない
4. CPUのコア数が少ない

まず1のオンボードNICが2ポートしかない点だが、通常NICをもう一枚追加してチーミングなどの冗長化構成をとるかと思うが、2ポートのNICだと、2セグメントしか利用できない。サーバ選定の段階で明確に利用セグメントが決まっていれば問題ないが、通常はこの段階では設計は明確には決まっていないことが多いはずだ。また後から要件が変わってくることもよくある。4ポートNICを2枚追加すればこの点はクリアできるが、その場合オンボードの2ポートNICの位置づけが微妙になる。

次にファンが標準で冗長化されていないことだが、ここからもDL360より下位のモデルがミッションクリティカルな用途を前提として設計されたサーバーではないことが伺えるのではないだろうか。ファンが冗長化されていない場合ファンが壊れるとサーバーはシャットダウンする仕様になっている。CPUの熱を下げられなくなってしまうからだ。

3番目のiLO専用ポートだが、HPサーバを導入するのであれば、iLOを使うことが多いだろう。iLOとはHPのリモート管理用のポートのことで、サーバの画面をリモートで表示させたり、サーバを起動・停止させることもできる。他にもSNMPトラップを飛ばしてHW障害を監視サーバに通知する機能もある。DL 360より下位のモデルでは、このiLOのポートが専用ポートではなく、通常のオンボードNICのポートの一つと共用なのだ。共用ポートでも問題ないように思えるかもしれないが、NICに障害が発生したときなどに別経路でリモートログインするといったことができなくなってしまう。
4番目のCPUのコア数だが360より下位のモデルだと1CPUあたりのコア数は最大で10程度となる。

もちろん比較するにはコストの軸が必要になってくるので、要件を確認しながら最終的に必要な機種を決定すればいいだろう。ネット上にまとまった情報がなかったので筆者がまとめておいた。画面スペースの都合により表を3つに分けている。2016年12月25日時点の情報なので、細かい点は今後変わってくると思われるが、Gen9から世代が上がるまでは大枠はかわらないはずなので、サーバ選定の際に参考にしていただきたい。

表1. DL 160、180、360、380のスペック

モデル DL160Gen9 DL180Gen9 DL360Gen9 DL380Gen9
外観
評価 ★★★ ★★ ★★★★★ ★★★★★
総括 DL360の下位機種という位置づけか?1Uで2プロセッサを搭載できる。DL360と比べると、搭載できるCPUの選択肢が少ないのと、オンボードNICが2ポートしかない点が気になる。 このサーバを選ぶ場面は低価格でDISK容量が必要なサーバーだろう。必要DISKが10本以下であれば、1UのDL360を選択したほうがいい。 DLシリーズで最も利用場面が広いサーバ。CPUも2基搭載でき、多コアのCPUも選択できるため、物理サーバ~仮想化基盤サーバまで幅広く利用できる。 DL360との主な違いは26本までDISKを搭載できる点だ。DSIK数が10本以上必要になったときがこのサーバの出番だ。
本体価格 29万~48万円
※1CPU標準搭載
36万~65万円
※1CPU標準搭載
52万~160万円
※1CPU標準搭載
56万~161万
※1CPU標準搭載
ユニット 1U 2U 1U 2U
最大搭載CPU数 2CPU 2CPU 2CPU 2CPU
CPUタイプ Intel Xeon E5-2600 v3/E5-2600 v4 Intel Xeon E5-2600 v3 / E5-2600 v4 Intel Xeon E5-2600 v3 / E5-2600 v4 Intel Xeon E5-2600 v3 / E5-2600 v4
クロック数・コア数 ・2.60 GHz 4C
・2.40 GHz 6C
・2.40 GHz 8C
・2.20 GHz 10C
・2.60 GHz 4C
・1.90 GHz 6C
・2.40 GHz 8C
・2.20 GHz 10C
・2.60 GHz 4C
・1.70 GHz 6C
3.20 GHz 8C
・2.60 GHz 10C
・2.60 GHz 12C
・2.60 GHz 14C
・2.30 GHz 18C
・2.20 GHz 22C
・3.00 GHz 4C
・2.40 GHz 6C
・2.40 GHz 8C
・2.60 GHz 10C
・2.60 GHz 12C
・2.60 GHz 14C
・2.30 GHz 18C
・2.20 GHz 22C
最大メモリ 256GB(RDIMM) /
512GB(LRDIMM)
256GB(RDIMM) /
512GB(LRDIMM)
768GB(RDIMM) /
1.5TB(LRDIMM)
768GB(RDIMM) /
1.5TB(LRDIMM)
最大DISK数 2.5型 8本
3.5型 4本
2.5型 16本
3.5型 12本
2.5型 10本 2.5型 26本
3.5型 15本
オンボード
NIC
Ethernet 1Gb
2 ポート × 1枚
Ethernet 1Gb
2 ポート × 1枚
Ethernet 1Gb
4 ポート × 1枚
Ethernet 1Gb
4 ポート × 1枚
電源 標準で1個
※冗長構成可
標準で1個
※冗長構成可
標準で1個
※冗長構成可
標準で1個
※冗長構成可
ファン 標準は非冗長構成
※冗長構成可
標準は非冗長構成
※冗長構成可
標準で冗長構成 標準で冗長構成
リモート管理機能 iLO 4
※標準でオンボードNICのポート2と共有(オプションで専用ポート搭載可)
iLO 4
※標準でオンボードNICのポート2と共有(オプションで専用ポート搭載可)
iLO 4
※専用ポート
iLO 4
※専用ポート


表2. DL20、60、80、120のスペック

モデル DL20Gen9 DL60Gen9 DL80Gen9 DL120Gen9
外観
評価 ★★ ★★ ★★★
総括 ファンの冗長化が不可であるため、本番サーバーとして利用するのは避けたい。障害が許容される検証用に限られるだろう。 非常に限られた用途での利用が想定される。ファイルサーバとして使われることを意識して設計されたと推測できるが、バッファロー製の安価なNASなどと比較すると利用場面があまり想像できない。 2Uと大きい割にスペックが低い印象。2UのサーバであればDL380をお勧めする。少ない本数の大容量DISKで構成するより、600GB SAS 等で本数を多くした方が性能がでるし、OS領域とデータ領域でRAIDを分ける構成も組みやすい。 1Uで1プロセッサ―。Webサーバなど低スペックで複数台構成とするサーバに向いている。オンボードNICが2ポートしかない点、ファンが標準で冗長化されていない点は注意が必要。
本体価格 14万~28万円
※1CPU標準搭載
22万~33万円
※1CPU標準搭載
29万~36万円
※1CPU標準搭載
26万~44万
※1CPU標準搭載
ユニット 1U 1U 2U 1U
最大搭載CPU数 1CPU 2CPU 2CPU 1CPU
CPUタイプ Intel Xeon E3-1200 v5/Pentium G4400 Intel Xeon E5-2600 v3 / E5-2600 v4 Intel Xeon E5-2600 v3 / E5-2600 v4 Intel Xeon E5-2600 v3 / E5-1600 v4
/ E5-2600 v4
クロック数・コア数 ・3.30 GHz 2C
・3.50 GHz 4C
・1.70 GHz 6C
・1.70 GHz 8C
・1.70 GHz 6C
・1.70 GHz 8C
・3.50 GHz 4Core
・1.70 GHz 6Core
・2.10 GHz 8Core
・2.20 GHz 10Core
最大メモリ 64GB(UDIMM) 128GB(RDIMM) /
256GB(LRDIMM)
128GB(RDIMM) /
256GB(LRDIMM)
128GB(RDIMM) /
256GB(LRDIMM)
最大DISK数 2.5型 4本
3.5型 2本
3.5型 4本 3.5型 8本 2.5型 8本
3.5型 4本
オンボード
NIC
Ethernet 1Gb
2 ポート × 1枚
Ethernet 1Gb
2 ポート × 1枚
Ethernet 1Gb
2 ポート × 1枚
Ethernet 1Gb
2 ポート × 1枚
電源 標準で1個
※冗長構成可
標準で1個
※冗長構成可
標準で1個
※冗長構成可
標準で1個
※冗長構成可
ファン 非冗長構成
※冗長構不可
標準は非冗長構成
※冗長構成可
標準は非冗長構成
※冗長構成可
標準は非冗長構成
※冗長構成可
リモート管理機能 iLO 4
※オンボードNICのポート2と共有
iLO 4
※オンボードNICのポート2と共有
iLO 4
※オンボードNICのポート2と共有
iLO 4
※オンボードNICのポート2と共有


表3. DL560、580のスペック

モデル DL560Gen9 DL580Gen9
外観
評価 ★★★★ 評価不可
総括 仮想環境で利用されることをかなり意識したモデル。2Uのサーバで4CPUのモデル。18コアのCPUを4つ搭載すれば、合計72Coreとなる。仮想マシンの統合率を上げたい場合の選択肢となるだろう。仮想化統合時にDL380だとサーバー台数が多くなりすぎるといった場合に検討されることが多いと思われる。DL380までとは異なり、CPUに4Way(4ソケット)のE5-4600ファミリーを採用している。そのためクロック数が1.7~2.1Ghzと低めになっていることにも留意したい。 4Uの筐体だが搭載できるDISK数は最大でたったの10本。大量のメモリを搭載できるのがこのサーバのポイントで、インメモリデータベースサーバ等特殊な用途で使われる。このいかつい外観からもこの機種を利用する場面はかなり限定されることがわかるだろう。
本体価格 170万 ~ 231万円
※2プロセッサ標準搭載モデル
485万 ~ 1095万円
※4プロセッサ標準搭載モデル
223万~227万円
※2プロセッサ標準搭載モデル
533万~1124万円
※4プロセッサ標準搭載モデル
ユニット 2U 4U
最大搭載CPU数 4CPU 4CPU
CPUタイプ Intel Xeon プロセッサー E5-4600 v3 / E5-4600 v4 Intel Xeon E5-2600 v3 / E5-2600 v4
クロック数・コア数 ・2.10 GHz 10C
・2.10 GHz 12C
・2.10 GHz 18C
・3.20 GHz 4C
・2.10 GHz 8C
・2.20 GHz 14C
・2.10 GHz 16C
・2.50 GHz 18C
・2.20 GHz 24C
最大メモリ 1.5GB(RDIMM) /
3.0TB(LRDIMM)
3.0GB(RDIMM) /
6.0TB(LRDIMM)
最大DISK数 2.5型 24本 3.5型 10本
オンボード
NIC
Ethernet 1Gb 4 ポート × 1枚
※オンボードNICを変更可能
モデルにより標準搭載が異なる
※オンボードNICを変更可能
電源 標準で1個
※冗長構成可
モデルにより標準搭載が異なる
※冗長構成可
ファン 標準で冗長構成 標準で冗長構成
リモート管理機能 iLO 4
※専用ポート
iLO 4
※専用ポート

以上

<参考サイト>
https://www.hpe.com/jp/ja/home.html

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