RAID10の故障率を算出する

今回はRAID 10の故障率の算出方法について解説したいと思います。RAID 10の故障率の算出方法はRAID6の故障率の算出方法の応用になります。本日は、RAID6の故障率の算出方法を理解しているという前提で解説したいと思います。
※RAID6の故障率の算出方法について、こちらで、詳細に解説していますので、未読の方は先に読んで見ると良いかと思います。

RAID 10の場合、RAID1サブグループのディスクが2本以上同時に故障すると RAIDアレイ全体の障害となります。そでれでは RAID 10の故障率について計算してみましょう。ここでは話を簡略化にするために、下記を前提とします。

[前提]
1. ディスク1本の年間故障率を1/5(20%)とする
2. ディスクが1本故障しても、ディスクの交換を行わず放置する


RAID 10の故障率を計算するときに注意しないといけないのは、同じRAID1のサブセットの2本が故障すると、RAIDアレイ全体の故障につながるが、異なるRAID1サブセットであれば、何本ディスクが故障しても、RAIDアレイ全体の故障にはならないということです。
上記を踏まえると、RAIDアレイ 全体が故障する確率は、1 すなわち全事象から下記の確率を減じればよいことになります。

1. ディスクが1本も故障しない確率
2. ディスクが1本故障する確率
3. 異なるRAIDグループのディスクが2~N本故障する確率
※N=ディスク総数÷2 = RAID1サブセット数

★★★
本題に入る前に数学のおさらいをしておきましょう。

[問題1]
青玉 2 個,赤玉 2 個,緑玉が 2 個 が 1 つの袋に入っている。この中から 3 個の玉を同時に取り出すとき,3個とも色が異なる組み合わせは何通りあるか。

[解説]
「各色から 1 個ずつとる」事象です。
・青玉2個から1個を選択する →  2C1
・赤玉2個から1個を選択する →  2C1
・緑玉2個から1個を選択する →  2C1

よって、2C1 × 2C1 × 2C1 で、8通りの選び方があります。

[問題2]
青玉 2 個,赤玉 2 個,緑玉が 2 個 が 1 つの袋に入っている。この中から 2 個の玉を同時に取り出すとき,2個とも色が異なる組み合わせは何通りあるか。

[解説]
色は3色、取り出せる玉は2個なので、まず最初に取り出す色を2色選ばないといけません。
・3色の中から2色を選択する → 3C2

次に選択した色のグループから1色ずつ選ばないといけないので、
・1色目の2個から1個を選択する →  2C1
・1色目の2個から1個を選択する →  2C1

よって、3C2 × 2C1 × 2C1 で、12通りの選び方があります。

★★★
RAID 10の場合も同じように考えればいいですね。故障する=取り出すと考えてください。

●6本のディスクが1本も故障しない確率
=(4/5)^6 × 3C0
= 4096/15625 × 1
≒ 0.26

[解説]
=故障しない確率が4/5で、6本とも故障しないため、4/5を6乗しています。またディスクは故障しないので、3色から1色も選択しないと考えてください。そうすると3C0です。

●6本のディスクのうち1本故障する確率
=(1/5)^1 ×(4/5)^5 × 3C1 × 2C1
≒ 0.39

[解説]
=故障する確率が1/5で、1本故障するので、1/5を1乗しています。故障しない確率が4/5で、5本は故障しないため、4/5を5乗しています。またディスクは1本故障するので3色から1色を選択するのと同じです(3C1)。選んだ色に対して、2個のディスクから1個を選択するので、2C1をかけています。

6本のディスクのうち、異なるRAIDグループのディスクが、2本故障する確率
=(1/5)^2 ×(4/5)^4 × 3C2 × 2C1 × 2C1
≒0.20

[解説]
=故障する確率が1/5で、2本故障するので、1/5を2乗しています。故障しない確率が4/5で、4本は故障しないため、4/5を4乗しています。またディスクは2本故障するので3色から2色を選択するのと同じです(3C2)。選んだ1色目に対して、2個のディスクから1個を選択するので、2C1をかけています。さらに2色目に対しても、2個のディスクから1個を選択するので、もう一度、2C1をかけています。

6本のディスクのうち、異なるRAIDグループのディスクが、3本故障する確率
=(1/5)^3 ×(4/5)^3
× 3C3 × 2C1 × 2C1 × 2C1
≒0.03

ディスクが6本なので、4本故障する確率は考える必要がありませんね。なぜなら4本故障すると必ずRAID10全体の故障につながるからです。

RAIDアレイ全体が故障しない確率は、0.26+0.39+0.20=0.03 = 0.88
従って、1年間でディスクが故障する確率は、1-0.88 = 0.12
つまり、12%となります。

上記から下記の公式が求められます。

●RAID10全体が故障する確率 
=1- {
[(F^0) ×((1-F)^(N-0)) × ((N/2)C0) × ((2C1)^0)]+
[(F^1) ×((1-F)^(N-1)) × ((N/2)C1) × ((2C1)^1)]+
[(F^2) ×((1-F)^(N-2)) × ((N/2)C2) × ((2C1)^2)]+
・・・・
[(F^(N/2)) ×((1-F)^(N-(N/2))) × ((N/2)C(N/2)) × ((2C1)^(N/2))]
}
※N=ディスク総数、F=ディスク1本の故障率

数列の知識があればもっとスマートにまとめられそうですね。。どなたかよろしくお願いします。

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