インフラSEのための電気の基礎知識

こんにちは、松沢英俊です。
インフラSEをやっているとサーバーやストレージなどを導入するときに、消費電力や電流、電源プラグの形状などの機器の物理的な仕様を確認することがあると思います。しかし、ちゃんと理解している人は小数でしょう。これを読めば、インフラSEとして、電気の知識は十分です。「消費電力(W)はメーカーのスペック表に書かれているけど、消費電力(VA)はわからない」また、「発熱量はメーカーの機器仕様に書かれてないのでわからない」などといった、間抜けなことを言うこともなくなるでしょう。

中学物理のおさらい

まずは中学校で習う物理のおさらいをしておきましょう。電流はマイナスの電荷を持つ電子が、プラスの方向に移動することで流れます。

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電子が流れる量を電流とよび単位をA(アンペア)で表します。電子が流れる勢いを電圧とよび単位をV(ボルト)で表しましたね。また、電気が仕事をする量(ここでは電球を光らせる)を電力と呼び単位をW(ワット)で表します。直流の場合、この電力は電流と電力を掛けた値になり、以下の式で表現することができます。

電力(W) = 電流(A) × 電圧(V)

ちなみに、みなさんの家庭にあるコンセントのほとんどは 100Vになっています。

直流と交流

さっき、直流の場合は、電力(W) = 電流(A) × 電圧(V) と説明しましたが、電流には直流以外に交流と呼ばれるものがあります。電池は直流ですが、コンセントは交流になります。

electricity_02コンセントから電源をとる家電製品の場合、電力(W) = 電流(A) × 電圧(V)にはならないので、注意してください。交流の場合、電力(w)は以下の式で表せます。

電力(W) = 電流(A) × 電圧(V) × 力率(PF)

交流の場合は力率(Power factor)を考える必要があるのです。

皮相電力と有効電力と無効電力と力率

ここで、新しく有効電力、皮相電力、無効電力、力率と新しい用語がたくさんでてきました。でも難しく感じる必要はありません。皮相電力(VA)と有効電力(W)と無効電力(Var)の関係は次の図のようになります。

electricity_03図の中に、これまで何度もでてきた W がでてきているのに注目してください。消費電力(W)とは有効電力のことなのです。交流の場合は単純に、電流(A) と 電圧(VA)を掛けると皮相電力(VA)になります。

皮相電力(VA) = 電流(A) × 電圧(V)

交流の場合、有効電力(W)を求めるには皮相電力(VA)から、無効電力(Var)を差し引く必要があるのです。皮相電力(VA)における有効電力(W)の割合を示したのが力率(PF)です。よって交流の場合、次の式が成り立ちます。

有効電力(W) = 皮相電力(VA) × 力率(PF)

直流の場合は力率が1すなわち、無効電力が0なので、以下の式が成り立つわけです。

有効電力(W) = 皮相電力(VA) =  電流(A) × 電圧(V)

発熱量

発熱量は、[KJ/H] や [BTU/H]で表されることが多いです。1Jは1Wで1秒間仕事をしたときのエネルギーです。1時間あたりだと、以下の式で表すことができます。

発熱量(J/H) = 消費電力(W)  × 60(秒) × 60(分)

商品電力が500Wの機器の場合発熱量は、1800[KJ/H]となります。また、発熱量を[BTU/H]で表すこともあります、1BTU = 1054Jですので、J から、BTUへは次の式で変換できます。

発熱量(BTU/H) = 発熱量(J/H) / 1054

発熱量に関しては、上記を理解しておけば十分です。

100V電源と200V電源

先ほども言いましたが、一般家庭のコンセントの多くは100V電源です。しかし、オフィスやデータセンターなどでは、200V電源を利用していることは珍しくないため、サーバー、ストレージなどを導入する際は、設置場所の電源が100Vか200V電源かを確認する必要があります。なぜなら、100V電源と200V電源でコンセントの形が異なるからです。サーバー、ストレージ、ネットワーク機器の電源プラグの商用電源側(コンセント側)の形状は日本で使用する場合、大体、以下の2つになります。

・NEMA 5-15P
以下の写真のコンセント側の規格がNEMA 5-15Pです。100V電源環境では一般的ですね。ちなみに、機器側のプラグの形状は、IEC C13 です。製品付属のコードだったら、製品側のプラグの形状は気にする必要はないですね。

C2G / Cables to Go 03134 18 AWG Universal Power Cord for NEMA 5-15P to IEC320C13, Black (10フィート/3.04メートル) [並行輸入]

・IEC C14
以下の写真のコンセント側の規格がIEC C14です。三本の金属が見える方です。200V電源環境ではこの形状になりますね。製品側のプラグの形状はIEC C13です。

C2G / Cables to Go 03143 18 AWG Computer Power Cord Extension IEC320C13 to IEC320C14, Black (10フィート/3.04メートル) [並行輸入]
単相と三相

交流電源は、単相と三相に分類できます。単相、三相とは簡単にいうと電気の送り方のことです。日本では100V では単相のみとなります。200V の場合は単相と三相 がありますが、家庭やオフィスの場合は単相が使用されていると考えて差し支えないでしょう。。三相は動力電源とも呼ばれ、工場で使用される機械などは三相電源を使用する場合が多いです。サーバーやストレージ、NW機器のほとんどは、単相だと思って問題ありません。ちなみに、単相の機器の電源を三相のコンセントからとることはできませんので注意してください。逆も同様です。

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すこし長くなりましたが、これで終わりにしたいと思います。電気についてもっと詳しく知りたい人には以下の本をお勧めしておきます。

よくわかる電気のしくみ (図解雑学)

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